料金表
オーバーホール見積り例
基本料金表
エンジンのフルオーバーホール
基本工賃
4バルブエンジン
¥270,000
2バルブエンジン
¥220,000
エンジン腰上オーバーホール
基本工賃
(シリンダー、ピストン、シリンダーヘッド部分)
4バルブエンジン
¥160,000
2バルブエンジン
¥110,000
エンジン脱着工賃  ¥30,000
* 基本工賃は、¥8,000/1hと設定しております。
* 表示価格はすべて税抜きです。
* その他、使用した部品は別途料金となります。

エンジンフルオーバーホールを行う際の使用部品の明細、及びその費用の代表的な例を、各エンジン形式別に表記しました。

テスタストレッタエンジン編
テスタストレッタエンジンは998Sのエンジンを例に、エンジンフルオーバーホールの見積もりを作成しました。バルブガイドの交換、バルブリフェース、バルブシートカット、の費用は含まれています。またここではクランクケースに使用される8個のベアリングは再使用することにしています。これらのベアリングの価格は8個で約7万円弱します。交換する場合はその費用が追加で必要となります。

 998S見積書サンプル(PDF)


デスモクアトロエンジン編
デスモクアトロエンジンは996SPSのエンジンを例に、エンジンフルオーバーホールの
見積もりを作成しました。バルブガイドの交換、バルブリフェース、バルブシートカット、の費用は含まれています。クランクケースのベアリング8個は全て交換、また冷却水のホース類も交換した場合の見積もりです。

 996SPS見積書サンプル(PDF)


空冷2バルブエンジン編
空冷2バルブエンジンはベルトドライブ900SSのエンジンを例に、エンジンフルオーバーホールの見積もりを作成しました。バルブガイドの交換、バルブリフェース、バルブシートカット、の費用は含まれています。クランクケースに使用される8個のベアリングは再使用する前提です。

 900SS見積書サンプル(PDF)


以上の3点はあくまで代表的な例で、実際には個々のエンジンによってかかる費用は前後します。この部品は交換不要であるとの指定をいただければ、その部品は交換しませんのでその分の部品代は差し引かれます。

逆に、他に壊れている部品、使えない部品があればその交換部品代が追加で必要となります。今回は何れの見積もりにも含めておりませんが、もしバルブ駆動のロッカーアームにメッキの剥離が発生していて交換が必要となった場合、例えばデスモクアトロエンジンのオープニングロッカーアームは1本あたり約24,000円します。この出費が有るか無いかは大きな違いとなります。そしてこの費用が必要かどうかは、エンジンを開けてみるまでわかりません。

ただし交換部品が増えたとしても、一部の例外を除き、基本的に追加の工賃は頂いておりません。

ご参考までに、
 4バルブ車の代表的なパーツ料金例は以下のとおりです。

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項 目 単 価 使用数 合 計
シリンダーヘッドガスケット916cc 12,140 2 ¥24,280
シリンダーヘッドガスケット955cc 廃盤・時価 2  
シリンダーヘッドガスケット996cc(〜'98) 12,140 2 ¥24,280
シリンダーヘッドガスケット996cc('99〜) 8,650 2 ¥17,300
シリンダーヘッドガスケット748cc(〜'99) 12,040 2 ¥24,080
シリンダーヘッドガスケット748cc('00〜) 8,650 2 ¥17,300
バルブ ステムシール 1,640 8 ¥13,120
タイミング ベルト 9,110 2 ¥18,220
バルブタイミング調整用ウッドラフキー 5,110 必要数 0〜4

 
工 賃
バルブガイド製作・入替 (リン青銅orアルミ青銅) 9,000 8 ¥72,000
バルブシート製作・入替 (ベリリウム銅) 13,600 8 ¥108,800
バルブシート製作・入替 (スチール) 8,200 8 ¥65,600
バルブ シートカット工賃 3,200 8 ¥25,600
バルブ フェースカット工賃 1,000 8 ¥8,000

価格は2011年2月末現在


 

以下の実際の料金例は当時の価格で表されております。
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[メンテナンス時期]1999年2月 
[車種] 748SP 1996年型  
[走行]22000km 
[状態] エンジンばらつき、アイドリングしない。新車時よりあまり調子が良くないまま、現在に至る。

エンジン フルオーバーホール費用
この色の文字をクリックして詳しい注釈をお読みください。

使用部品 数 量 単 価 小 計
ヘッドガスケット 2 10,430 20,860
バルブステムシール 8 1,110 8,880
タイミングベルト 2 14,960 29,920
クローズロッカーアーム 1 16,670 16,670
コンロッドハーフメタル 4 3,830 15,320
コンロッドボルト 4 1,390 5,560
ヘッドロケートドゥエル 4   580 2,320
インマニメタルガスケット 2 230 460

クラッチアウターオイルシール 1 3,830 3,830
クラッチインナーオイルシール 1 1,180 1,180
エキゾーストガスケット 2 420 840
ロッカーピンカバーガスケット 4 550 2,200
セルモーターガスケット 1 290 290
カウンターシャフトオイルシール 1 1,150 1,150
タイミングシャフトオイルシール 1 610 610
カムシャフトオイルシール 4 2,300 9,200
ピストンリングセット 2 18,430 36,860
ウッドラフキー 4 3,340 13,360

オイル 3.2lit. 3,100 9,920
オイルエレメント 1 2,100 2,100
L.L.C. --- 1,000 1,000
合計 ¥182,530

オーバーホール基本工賃 --- --- 270,000
エンジン脱着 --- --- 30,000
バルブフェースカット 8   600 4,800
バルブシートカット 8 2,200 17,600
バルブガイド製作・交換
(リン青銅製)
8 7,200   57,600
合 計 ¥380,000

総 額 ¥562,530(税抜き)

 

注釈 バルブステムシール (back)
バルブとシートの当たりを確認するため、バルブステムシールは外します。このシールは壊さないと取れないため、必然的に交換となります。

注釈 クローズロッカーアーム (back)
閉じ側のロッカーアームの、カムとの滑り面にあたる硬質メッキが剥離していました。このようなトラブルはかなり一般的なものです。気づかずに進行させてしまうと、ロッカーアームのみならずカムシャフトまで削れてしまい、セット交換という事態に陥ることもあります。

注釈 インマニメタルガスケット(back)
1998年モデルより、ガスケットの多くはメタル製に変更されています。性能的に旧タイプより信頼性が高いうえ、ある程度の再使用が可能ですので、機会があれば交換しておくことをお勧めします。

注釈 ピストンリングセット(back)
ピストンリングは、合い口のすき間が限界値を大幅に超えていたので交換しました。

注釈  ウッドラフキー(back)
このパーツを使用してバルブタイミングを調整します。2〜14°まで2°おきに7 種類のものが存在します。取り付けの向きを変えることで、-14〜+14°まで2° 刻みでバルブタイミングの設定を行うことができます。

注釈 バルブフェースカット(back)
これまでの経験から言えば、ドゥカティのバルブは新品でも正しくセンターが出ている保証はありません。当ファクトリーでは、新品を使用する時でも、一度フェースカットしてから使っています。

注釈 バルブガイド製作・交換(back)
バルブガイドのバルブステムとのクリアランスが過大になっているために、バルブのバルブシートへの着座位置が安定せず、ガスシール性が損なわれていました。バルブガイドのメーカーオリジナルは燃結合金製ですが、ここでは耐衝撃性や耐摩耗性に優れたリン青銅のものを製作しました。ガイド圧入時、当ファクトリーでは液体窒素を使用しています。オーブンで暖めたヘッドへ、液体窒素で冷却したガイドを手で押し込むだけで、抵抗もなく圧入が完了します。この方法ですとガイドの傾きもほとんど発生せず、シートカットの量も最小限ですむというメリットがあります。

 
  comment!  

●この車輌はエンジンオーバーホール後まだ慣らし中ですが、快調に走っています。オーナー曰く、「今までアイドリングしたことが無かったのに、今はバッチリです! 6000rpm付近にあった息つきも解消されていて、慣らし終了後に全開にするのが楽しみです」とのこと。ごく一般的な調整・整備の範囲ではありましたが、やはりこのように喜んでいただけると嬉しいですね。

 

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[車種] 996SPS 1998年型  
[走行] 4000km  
[状態] 特に調子が悪い訳ではないが、アマチュアレースに出場しているため、さらなるパフォーマンスを求めてフルオーバーホールしました。

フルオーバーホール費用
この色の文字をクリックして詳しい注釈をお読みください。

使用部品 数 量 単 価 小 計
シリンダーヘッドガスケット 2 10,810 21,620
バルブステムシール 8 1,110 8,880
カウンターシャフトオイルシール 1 1,150 1,150
タイミングシャフトオイルシール 1 610 610
オイル 3.2 lit. 3,100 9,920
オイルエレメント 1 2,100 2,100
L.L.C. --- 1,000 1,000
ウッドラフキー 2 3,340 6,680
シリンダーベースガスケット 2 550 1,100
合 計 ¥53,060

エンジンフルオーバーホール基本工賃 --- --- 270,000
エンジン脱着 --- --- 30,000
エンジンベンチにて慣らし運転
及びパワーチェック
--- --- 30,000
合 計 ¥330,000

総 額 ¥383,060(税抜き)

 
 
注釈 シリンダーベースガスケット(back)
車輌の使用条件がレースユースなので、圧縮比を上げ、スキッシュ効果を高める目的でシリンダーベースガスケットに薄いものを使用しました。

注釈 パワーチェック(back)
ご希望があれば、当ファクトリーのエンジンダイナモにて、エンジンオーバーホール前のパワーチェック、オーバーホール後の慣らし運転及びパワーチェックを行います。ただし、エンジンの調子が悪く、全負荷のパワーチェックに耐えられない恐れがあると判断した場合には、オーバーホール前のパワーチェックをお断りすることがあります。

 
  comment!  

●この車輌は新車に近く、走行距離も短いため、交換部品が少なくすみました。オーバーホール後、オーナーはTIサーキットにてレースに出場。ストレートの速さは出場車輌中トップだったとのことで、大変満足されています。
 
 特にこの996SPSのような車輌の場合、例えばハイコンプレッションピストンやレーシングカム等の特別なパーツを組み込まなくても、スタンダード状態のまま正しく組み上げることで、十分なパフォーマンスを発揮するようにできると私は考えています。経験的に、そのような社外パーツは純正のものよりも粗悪な材質のものが多いような気がしますし、組んだとしてもエンジン全体のバランスがとれていないため、必ずしもパワーアップを期待できないことが多いと思います。また、耐久性にしても然りです。純正パーツを組んでそれでも壊れてしまったら、それはそれで悔いもなく、諦めもつく。これが私の認識です。ドゥカティSPシリーズには、こう言い切ってしまえるくらい質の良いパーツが純正として使用されているということです。

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