さて、明けて土曜日、予選です。我々予選B組1回目は11時30分から。予選時間は20分間です。
この日は朝から曇り空。予報だと夕方から雨が降るとのこと。もしそうなると、予選順位はドライコンディションの予選1回目で決定してしまいます。なぜなら2回目の予選が雨だったとすると、ウェットコンディションで1回目のドライでのタイムを上回る可能性は無いからです。
従って、まず転ばずに義務周回数を果たした上でタイムを出さなくてはいけません。もし最初で転んで義務周回数(3周)をクリア出来なかったとすると、2回目の予選でタイムを出さなくてはいけなくなり、もしそこで雨が降ったりすると予選落ちという事態になってしまうからです。
予選はドライコンディションのまま始まりました。ピットアウトして、1周目1分3秒20、2周目1分1秒23、3周目1分0秒72......。これで義務周回週は果たしました。4周目59秒76、5周目59秒21....。そしていったんピットインして、他の速いライダーと一緒に走ろうとピットアウトのタイミングを計るのですが、なかなかうまくいきません。この後2回コース上へ出てタイムアタックを何周かづつ試みたのですが、結局5周目のタイムが正式には59秒220というベストタイムになりました。
この1回目の予選、小山の走りはかなりアグレッシブではあったのですが、いかんせんそれがミスを呼び、タイムに結びつかない。タイムが出ないのであせり、さらに攻めの走りをするのですが、それがまたミスを呼ぶ。まさに悪循環だったように思われます。
私はピットでタイム計測をしていたので、最終コーナーの立ち上がりから1コーナーのクリップへ消えてゆくあたりまでしか彼の走りを目にすることは出来ませんでした。しかし最終コーナー立ち上がりだけをとってみても、「うん、いいじゃん。」と思えるように立ち上がって来ることは希で、変にふくらんだり、タイヤを滑らせたりして、「あ、また失敗したな。」というような事が多かったのです。
当然の事ながら、良いタイムというのはノーミスで1周を回って来なければ出ません。たった1周なのですが、その1周の間集中力を持続して、限界以上でもなく、限界以下でもない走りをしなければならないのです。口で言うのは簡単なのですが、なかなか出来ることではありません。ポールポジション争いをするには、良いマシン、タイヤとライディングの技術が揃っているのは前提条件。それに加えてライダーの精神力が重要なのです。レース本番となるとまた話はちょっと違うのですが。
とにかく1回目の予選が終了した時点で小山は予選B組6番手。A組B組合わせると総合17番手のポジションでした。 |