ガソリンタンクです。このバイクのタンクはムラヤマモータース純正のアルミタンクです。残念ながら本当の意味でのオリジナルであるカーボン製ではありません。しかし未使用品のニューペイントで、程度は言う事無しです。
タンクの中に装着されるフューエルポンプは、前回のこともあるので、最初から現行品の新品を使用します。また、タンク内で使用されるフューエルホースは、ガソリンに浸かった状態で使用される事が前提で製作されているものを使用します。今までの経験上、タンクの外で使用しているホースをそのままタンクの中で使用しても、特に問題が起こる事はありませんでした。しかし、コストはかなり上がるのですが、より適した部品を入手したからにはこちらの部品を使用します。
ウォーターホースですが、こちらも新品を使用します。特に画像のホースは既に生産が打ち切られており、入手不可です。TFDでもこれが最後のストックですが、使ってしまいます。今後この手の部品が必要になった場合には、社外品のホースに頼る事になりますね。
ブレーキ周りの製作も進んでいます。キャリパーはオリジナル部品で、ブレーキホースは新しく製作しました。当然ながら、キャリパーやマスターも分解してメンテナンス済みです。ステップ周りもオリジナルに拘ります。この状態のバイクに、例えばメイドインジャパンのステップキット等が装着されていたりしたら、雰囲気が台無しだと思いませんか?
下の画像はガソリンタンクをフレームから引っ張るゴムバンドです。確か888系のコルサとSPSにのみ使われていた部品で、当然ながら既に廃番です。このような時のためにまだ何本か新品の在庫があったので、今回はそれを使用します。やはりこれも本物を使いたいですよね。間に合わせでタイラップやタイヤチューブ等で引っ張ったりしたら格好悪いと思います。
ラジエーターはこれを使います。これは工場出荷時から装着されていたオリジナルですが、レースで使っていただけあって、傷やへこみはそれなりに見受けられます。しかし水漏れは無いようなのでそれが何よりです。オリジナル部品はやはり貴重です。
新品のウォーターホースやサーモスタット、ラジエーター等の水周りを組み付けたところです。ウォーターポンプカバーは748/916系の1997年モデルまでの部品で、サーモスタットも同様に最近のモデルにまで使われているものです。冷却水の循環経路も同様に748/916/996/998系と同じ取り回しになっています。
やっとバイクがここまで出来上がりました。この状態でオイルとクーラントを入れればエンジンに火を入れる事が可能です。
何はともあれエンジンを掛けてみました。
この時代のスロットルボディーにはエアスクリューが存在しないので、アイドリングや低回転域の調整はかなりコツが要ります。スロポジのゼロ点を確認し(走りこんでゆくとずれて行きますから、必ず定期的な確認調整が必要です)、前後インマニの負圧を合わせ、後はECUのトリマーを調整してCOを合わせてゆきます。調整出来る要素が少ないのですが、その割にはちゃんと調子を出す事が出来て、いつもちょっと不思議な気分になります。
低回転域での微小なスロットル開閉に対するツキや、フワッとしたエンジン回転の上がり方など、今時のトップフィードのワンインジェクターモデルよりもよっぽど良いフィーリングだったりして、技術の進歩って一体何?という気分になることもあります。
[続く...] |