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名車復活計画__その2__888SPS__TFD弐号 |
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さて、今回使用することになったSP5のクランクケースです。画像のようにコンディションは申し分ありません。これから全てのベアリングを交換します。このクランクケースについて、私にはどうしても確認しておきたい事項が一つありました。それは前回のSPSレストア時に発覚した、設計ミスによりオイルラインが塞がってしまっていたという事実が、それから1年後のSP5ではどうなっているのだろうか、ということです。 |
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画像は全てのベアリングが取り除かれたSP5のクランクケースです。そこで例の場所をチェックしてみると、下の画像のようになっていました。SPSの画像と比較してみると、穴位置は変わっていません。でもオイルの通路を確保するために穴の周りを機械加工で掘ってあります。基本的に私が前回SPSに施した処理と同じですね。
この光景を見て、私の記憶に蘇るものがありました。どこかでこの光景は見た事があると記憶を手繰ってみると、思い出したのは93年型888レーシングのクランクケースでした。芳賀選手を擁して全日本を戦っていた94年、94年型926レーシングが来るまでの何戦かは93年型888レーシングでレースをしていましたが、その時クランクケースは消耗品で頻繁に交換していました。その時に良く見た光景だったというわけです。
そこで888レーシングのパーツリストを今一度紐解いて確認してみると、クランクケースの品番は22520103Aとあります。なんとSPSと同じではないですか!そしてそれが品番変更されて22520104Aとされています。つまりSP5のクランクケース番号です。当時交換していたケースは品番変更された22520104Aの方だったので、その様子が記憶に残っていたのでしょう。
結局、基本的にこの2個のクランクケースは同じ物で、22520103Aの不具合を改良したものが22520104Aということです。そしてたった今検証したとおり、その違いはオイルラインの不具合の改善と、シフトドラムのカム用の台座が機械加工までされて仕上げられているという2点であるという事が判明しました。
結果的に私が本能的にSP5のケースを選択したことは大正解だったということですね。そしてそれを実際に入手できたという事実も非常にラッキーだったと言えるでしょう。でも正直言って、SPSとSP5のクランクケースが93年型888レーシングのそれと同一のものであるということは今まで特に認識していませんでした。当時は本当にレーシングマシンをそのままストリートバイクとして販売してしまったのですね。改めて認識を新たにしました。
それともう一つ、今回のことで、新車時からそのままのSPSはおそらく全ての個体のオイルラインが塞がったままであろうということも判りました。その事に起因する問題は、後方気筒のピストンを冷やすためのオイルジェットからオイルが吐出されない、ということですが、有る意味致命的なトラブルでは無いのがせめてもの救いです。かえって今となってはそうした事実をドゥカティらしいと思えるかもしれません。
参考までにこちらの画像は反対側、ケース右側のオイルラインの様子です。左の大きめの穴からオイルが出て来て、本来装着されているベアリングブッシュの溝を通過して右の小さめの穴から出て行き、その先にオイルジェットのノズルが有る。正常に機能していますね。
最後の画像は全てのベアリング類が交換されたクランクケースです。
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