名車復活計画__その2__888SPS__TFD弐号
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 この画像はクランクケースにシリンダーピストンまでが組み込まれたエンジンです。これにヘッドを載せます。
 ピストンとヘッドの隙間(スキッシュクリアランス)の調整も必須です。特にこのエンジンの場合は本来紙系の厚いシリンダーヘッドガスケットが使用されていましたが(薄いメタルガスケットに切り替わったのは1999年モデルからです)、現在ではその部品は既に無く、現行の薄いメタルガスケットを用いて組み立てねばなりません。そのため、新旧ガスケットの厚さの差をベースガスケットで調整しなければならないのです。

 一応メーカーはそれ用の部品を用意していますが、それは厚さ1.00mmのもの一種類のみなのでなかなか思うように調整できません。大体の場合、0.2、0.3、0.4mmのガスケットの組み合わせになってしまいますね。手間はかかりますが、ここは大事なところなのでしょうがないです。

 下左の画像はバルブタイミングの調整の模様です。 ここまで来ればエンジン完成も間近です。 そしてバルブタイミングの調整も終わり、出来るところまでの作業は終了しました。
次の画像は右側ですが、クラッチカバーは現在再塗装中です。三番目の画像は左側で、こちらのジェネレーターカバーも現在再塗装中です。
 さて、エンジンが大体出来上がったので作業はフレーム関係に移ります。下の画像は再塗装したフレームです。前回のSPS再生記の時に既に登場していた物です。あれからずいぶん時間が経ってしまったような気がしますが、日常の仕事に追いかけられているとなかなか手をつけられず、その間ずっと眠っていました。やっと日の目を見ることになりました。
 前回と説明が重複しますが、フレーム中央の補強パイプがボルトオンの脱着式に改造されています。目的はスロットルボディー脱着時の利便性を図るためです。レースで使っていると頻繁にメンテナンスを行うために、スロットルボディーの脱着頻度は非常に高く、こうした改造は非常に有効な手段となります。

 94年型926レーシングのフレームは最初からこうした造りになっており、それを見てそっくりに造ったのでしょう。仕上がりは非常に綺麗で、作業を実施した人はプロフェッショナルだと思います。

 次の画像はエンジンマウントボルトやアクスルシャフトを始めとするボルトナット類です。あらかじめ再メッキを施しておきました。オリジナルに準じたクロメートです。クロメートというのはかなり安価なメッキの部類に入ると思いますが、私にとってドゥカティのイメージというのはこの色なのです。999になってから、メッキはユニクロのシルバーになってしまいましたが、私はやっぱり金色っぽいクロメートが好きですね。
フレームその他のメインとなる部品を仮組みしてみました。
 ここまで組んだだけでずいぶんバイクっぽくなったように感じます。スイングアームやリアサスのロッカーアーム等、全てオリジナルの部品です。
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