名車復活計画__その2__888SPS__TFD弐号
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 早速車検場に行ってナンバーを取得してきました。このままの状態で持ち込んだので、音量を計測されて揉めるかなと懸念していたのですが、音量測定もされず意外とすんなり、ほぼフリーパスだった模様です。この時代の音量規制は99dbまでとなっていてかなり緩いので、実際に計られてもたぶん大丈夫だとは思っていたのですが。(サイレンサーがちゃんと機能していれば経験上100dbくらいなので、何とかオマケしてもらって通ると踏んでいました)ナンバーの数字は隠してありますが、なかなか良い感じの番号でした。早々に乗ってみようと思ったのですが、あいにく天気の方がイマイチなので今日のところは諦めて、明日試乗してみようと思います。
 
 ところで唐突ですが、下の画像はシートです。右がSPS、左がSP4の部品です。良く見ると右のSPSの方が少し長いですね。シートカウルに双方のシートスポンジを付け替えて検証してみた結果、その理由が判明しました。

 SPSとSP4では、ガソリンタンクの長さが異なるのです。シートスポンジの長いSPSの方が、タンクの長さが短いのです。これらの事をもう少し詳しく調べてみたところ、92年以降の888系はSPSを除いた全てのモデルが同じシートスポンジを使っています。逆に言えばSPS以外のモデルのタンク長は皆同じで、SPSのみが異なる(ちょっと短い)ということになりますね。おそらくSPSのカーボンタンクとそれ以外のモデルのスチールタンクは別々に開発され、出来上がってみたらお互いの長さが異なっている事が判明、SPS用のシートを後からわざわざ造る事になったのでしょうね。
 
 次の日、早速試乗しました。寒いのであまり遠くまでは出かけず、付近を散歩程度だったのですが、調子は上々です。ストリートモデル用の強いバルブスプリングを組んだせいか、アイドリング付近から中低速の安定感がもう一台の方より優れているような気がしました。街中でも全く問題なく、実用にも耐えますね。まだそんなにエンジンの回転を上げてはいませんが、流石にインテークにレーシングカムであるGカムが使用されているだけのことはあって、高回転の盛り上がりは感動的です。誰かが言っていましたが、エンブレの効く2スト、という表現もあながち的外れではありませんね。
 
  やっと完成したところで、前回レストアした「壱号」と一緒に記念撮影です。当時101台生産されたうち、今何台が現存しているかは不明ですが、とりあえず此処にそのうちの2台は有ります。今回レストアされて蘇った「弐号」の方は、運が悪ければそのままこの世から消滅するところでした。とりあえず蘇らせる事が出来て、私はドゥカティスタとして自分の責任を果たせたと安堵しています。
 このレストア記の最初にも書きましたが、今回レストアした「弐号」の方は熱望される方がいらっしゃれば販売も考えています。純粋に851/888系が好きで、大事にしてくれる方、ピントの外れた改造等をしないでオリジナルの大切さを理解してくれる方が希望です。投機対象にもなりつつあるバイクですが、家具調度品にはせずに、調子を維持するために時々乗って欲しいですね。

 価格は399万円(税別380万円)です。原価計算はしませんでした。なぜなら、原価計算をすればたぶん(確実に?)もっと値段が上がるか、売りたくなくなるかのどちらかになる確信があるからです。

 お問い合わせは是非、手放しても良いかなという、私の気が変わらないうちにお願いします(笑)。ちなみに下の画像は、ライダースクラブ誌93年1月号の記事で、「弐号」そのものが取材されています。トップブリッジのシリアル#031がフィーチャーされています。記念ですからこの雑誌はバイクと一緒にお付けします。

【完】
※お陰様で売約済みとなりました。多くのお問い合わせありがとうございました。