名車復活計画__その2__888SPS__TFD弐号
1./ 2./ 3./ 4./ 5./ 6./ 7./ 8./ 9./ 10./ 11./ 12./ 13./ 14./ 15./
 さて、次はヘッドの組み立てです。最初の画像はヘッド内部の部品です。既にベアリングやオイルシールの交換が終了しています。カムの中心を通るオイル穴も一度ドリル等を突っ込んで内部にあるバリを取り除いてあります。

 カム山にあるオイル穴を加工した時に必ずドリル穴の出口に大きなバリが出来てしまいます。ベーゴマみたいな形のバリで、それが穴の内側にくっついたままになっているのです。カム中心の穴にサイズの合うドリル(Φ4.8mm位)を突っ込んで手で回すと、バリバリ言いながらそれが取れます。

 ほぼ100%のバイクにこのバリは存在します。それを知らない時は気にもしていなかったのですが、一度その存在を知ってしまうと、分解したカムは漏れなくこの作業を行わないと気がすまない心理状態になりました。何しろそのバリが何かの拍子に外れ、オイルに乗って流れてオイルラインを塞いだりしたら、塞がれた穴のカム山に接しているロッカーアームはオイル切れを起こすことになります。
そうしたトラブルは実際に体験した事があります。
 下左の画像はロッカーアームです。表面がピカピカに光っているように見えますが、このエンジンのロッカーアームは表面が研磨されています。これは元のオーナーが希望してこのようにしたのでしょう。せっかくですからこれらのロッカーアームはそのまま使います。この頃はチューニングメニューの中に「部品の表面の研磨」という項目が明らかに存在していましたね。最近はこの様に磨かれた部品を見る機会も少なくなってしまったような気がします。

 隣はバルブのリターンスプリングです。バルブリターンスプリングといっても、実際にはクローズ側のロッカーアームをリターンしています。左の線径が細い方がSPS、右の太い方が一般のストリートバイク用です。SPS用の細い方は、市販レーサーのコルサやRSといったバイクに使われているものと一緒です。それにこれは888SP2にも使われていました。SP3から市販車用の太いものが使われるようになったのですが、なぜかSPSにだけ一瞬復活しました。ストリートユースを考えて、今回はストリートバイク用の太いスプリングを使用して組み立てることにしました。

 そして右の画像は組みあがったヘッドです。本来シルバーに塗ってある塗装の色が剥げ落ちてアルミの地肌が出ていたり、ガイド交換時の過熱で塗装の色がゴールドっぽくなっていたりしますが、それはしょうがないのでそのままで行きます。オロ(ゴールド)のヘッドも恰好良いです。

 最後の画像はジェネレーターカバーです。こちらの塗装の痛みは錆びの腐食によるもので、このまま組むのはさすがにチョットイヤな感じです。ということで、この部品は下地処理とペイントをやり直すことにしました。水ホースのユニオンも新品に交換します。出来ればオリジナルのペイントのまま使用できれば理想的なのですが、なかなかそうは行かない部品も出てきます。このあたりの判断基準は難しいところですね。
< BACK  |  NEXT >