名車復活計画__その2__888SPS__TFD弐号
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  ある朝、作業のためにSPSのカウルを外そうとしたところ、カウルに添えた手にクーラントらしき物が付着しました。一体何処からの水漏れかとそこいらじゅうを点検したところ、何と原因は画像の通りでした。
 
 最後の1個の新品在庫してあった例の貴重なホースです。このホースは三又の造りになっており、三方からのホースをゴムというか樹脂のような物で接着しています。その合わせてあるところの造りが良くないのですね。内部にホースの補強繊維が出てしまっているのでしょう。その繊維を伝って画像のように表までクーラントが出てきてしまうのです。思い出してみればこの症状はかなりの頻度で見受けられ、当時から新品ホースの過半数はこんな感じで、水漏れが無いホースの方が珍しいくらいでした。

 しょうがないので社外品のホースを使用することにしました。サムコ製です。在庫品は色がサムコの象徴である青色の物でした。この部分だけ色違いになってしまい、またその色も青色でちょっと違和感があるのは否めませんが、この際やむを得ません。とりあえず同じくサムコの黒色のホースも発注を掛けましたので、それが入荷した暁にはそれに交換するつもりです。
 タイヤも新品を履きました。私にとって最近のタイヤの顔(溝のデザイン)は皆イマイチで、なかなかこのSPSに似合うようなパターンのタイヤが見つかりません。一番無難に思えて選択したのは結局このタイヤでした。

 フロントブレーキディスクもクロメートをかけなおして綺麗になっています。このあたりはちょっとした事ですが、見栄えが非常に良くなりますね。オリジナルのブレーキラインはゴム製で時代を感じる物でしたが、それは新たに造り直しました。ブレーキキャリパーは当時もののオリジナルで、パッドはフェロードの2453Fを使用し、当時のレーシングスペックを再現してみました。

 本来ラジエーターの前に三角形のダクトが装着されますが、現状ではそれが付いていません。当時から付いていたものと、新品部品の両方がストックしてあるのですが、どちらも今ひとつ立て付けが良くないのです。無理やり取り付けると、おそらく暫く経ったところでカウルかダクトのどちらかが割れてしまうのは目に見えています。そう考えて、左右のカウルを繋げる部品を製作して使用し、ダクトは使わないことにしました。。
 
  長い道のりでしたが、やっと完成です。正直に言って、最初の状況では本当にレストアが完結するのだろうかと半信半疑の所もあったのですが、やれば何とかなるものですね。早く乗ってみたいのですが、まず車検を取らなければなりません。早急に車検を取って登録し、ナンバーを付けて街に出てみようと思います。  【続く...】
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